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病気・ケガ(健康管理と対処法)

海外では病気、ケガとは無縁に過ごしたいもの。しかし、食事や習慣の違い、度重なるストレス、免疫力の低下など、留学中はいつもより心身の病気にかかりやすくなります。JCSOSの危機管理システムJ-TASで受け付けた留学生からの相談内容を見ると、ほぼ半数が病気とケガに関するものです。留学中の最も身近なトラブルは病気とケガと言えるのかもしれません。病気を遠ざける「留学中の健康管理」、いざという時のための「病気やケガの対処法」を知っておきましょう。

JCSOS危機管理システム相談内訳(2019年度)

JCSOS危機管理システム相談内訳

留学中の健康管理

衛生状態を認識する

飲食物による感染症

①水道水の衛生状態を確認

日本では水道の水は飲めて当たり前ですが、海外では水道があっても飲み水としては衛生上問題がある場合もあります。滞在地域の水道水が飲用可かどうか、水質が硬水か軟水かを確認しておきましょう。開発途上国では地下水や汚水が混入していることがあり特に注意が必要です。

②飲料水は市販のミネラルウォーターも活用

水道水が飲用できる地域でも水質の違いから体調不良を起こすことがあります。飲料用の水は市販のミネラルウォーターも活用しましょう。なお、治安が不安定な地域では、ミネラルウォーターの購入時にペットボトルの蓋の状態(開栓された形跡がないかどうか)を確認するようにしましょう。

③飲食物で避けるべきものを確認

熱帯気候の地域や衛生面で心配がある国では、生もの、氷の入った飲料物、生野菜、カットフルーツなどは避けましょう。食事は十分に熱を通したものにし、外食時は調理時の衛生面も考慮するようにしてください。

≪食事・睡眠・運動≫健康の3要素を大切にする

①食事

人間の体は食べたものから作られ食事の質が日々のパフォーマンスに直結します。海外生活では食文化の違いから栄養のバランスを崩しがち。できるだけ食事からの5大栄養素(たんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル)を意識するようにしましょう。また、腸内環境の悪化はメンタルヘルスの不調につながります。ヨーグルトなどの発酵食品、野菜・穀物などの食物繊維を積極的に摂取し、腸内環境を整えることが大切です。極端な食欲の減少や増加といった症状は体からのSOSの場合があります。症状が続くような場合は、医師やカウンセラーに相談をするなど早めの対策が必要です。

②睡眠

睡眠不足は負のスパイラルへの入り口と言われます。できるだけ十分な睡眠時間を確保しましょう。朝目覚めると人間の脳は太陽の光を感知しその16時間後に眠くなると言われます。起床時間を一定にすることで睡眠のサイクルが安定します。また、眠れない、何度も目が覚める、早朝に起きてしまう、といった状態はこころの病気が隠れていることがあります。睡眠に関してトラブルを感じたら、ストレスの軽減や医師やカウンセラーへの相談といった早めの対策で症状の悪化を防ぎましょう。

③運動

適度な運動は体力づくりとメンタルヘルスの維持に役立ちます。留学先の環境に慣れてきたら、好きなスポーツなどで体を動かす機会を定期的に持ちましょう。また、心身に不調を感じたら、ちょっとしたエクササイズ習慣がおすすめです。ウォーキングやジョギングなどのリズム運動、血流や自律神経に効果的な呼吸法やヨガ、就寝前のストレッチなどはストレスの軽減に効果を発揮します。

感染症・風土病を予防する

蚊が媒介する感染症

蚊や動物が媒介する感染症、飲食物による感染症、川や湖での感染症、性行為からの感染症、世界にはさまざまな感染症があります。留学先の国と地域での感染症の発生状況を事前に認識し、各自で予防を行ってください。各感染症への詳しい対策方法を感染症・予防接種のページにて確認しておきましょう。

病気・ケガへの対処法

体調不良やケガには迅速で適切な処置が大切です。常備薬では対処できない症状の時は、速やかに留学先の医療機関を利用しましょう。海外での医療費は一般的に日本より高額になり、手術や集中治療を伴うような重篤な病気やケガでは数百万から数千万円単位の費用が発生することがあります。留学では海外旅行保険への加入が必須です。留学中に病気やケガが発生し、実際に医療受診が必要になったら、学校スタッフやホストファミリー、保険会社の協力を得ながら対処をしていきましょう。

海外旅行保険への加入

国や地域によって、医療体制、医療費は大きく異なります。万が一の時に最良の医療を受けることができるよう、十分な補償がある海外旅行保険に加入しておきましょう。海外旅行保険は、費用の補償のみでなく、医療受診時に適切なサポートを得ることができます。海外旅行保険の加入時は以下のことに留意してください。

  • 保険の補償項目と内容は十分か
  • 緊急時に日本語対応のサポートがあるか
  • 提携病院などでキャッシュレスサポートサービスがあるか

留学先の医療事情の確認

各自の留学先の医療に関して情報収集をしておきましょう。外務省提供の世界の医療事情ページでは各国の衛生や医療事情を確認することができます。

病気やケガで医療受診が必要になったら

病気やケガで医療受診が必要になったら

①身近な人に相談し病院の予約をする

学校のスタッフ、ホストファミリー、寮の管理人などといった身近な人に相談し、サポートを受けながら病院の受診予約の手続きなどをすすめます。留学先のキャンパス内にヘルスセンターがある場合はその窓口を利用しましょう。また、学校スタッフやホストファミリーの紹介で医療機関を受診する場合も、同時に保険会社にも連絡をし、治療費の支払い方法等を相談してください。

②保険会社のコールセンターに相談し病院の予約をする

加入している海外旅行保険のサポートを利用します。ほとんどの保険会社が24時間日本語で対応するコールセンターを設けています。まずコールセンターに電話を入れ、オペレーターに病院の紹介や受診予約の依頼などをします。保険の契約証番号、滞在地域からのコールセンターへの電話番号は、万が一の時に備えてお財布などに入れて常時携帯しておくようにしましょう。

③J-TAS加入者は海外危機管理サポートデスクに連絡する

JCSOSの危機管理システムJ-TASに加入している方は、J-TAS海外危機管理サポートデスクに電話やLINEにて健康に関する相談ができます。J-TASでは、健康相談の他、医療機関の紹介、予約、通訳手配なども行っています。詳しい利用方法をJ-TASの使い方ページにて確認しておきましょう。

医療受診時に役立つ各国の言葉(外務省ホームページから)